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のりこのトーク

 ソーシャルディスタンスという言葉は、わが国では、すっかり定着したが、先日、英語の先生から、海外ではまったく通用しないという話を聞いて、興味が沸き、少し調べてみた。  なるほど、social distance という言葉は、実は社会学用語で、人との物理的距離だけでなく、人間関係の感情的距離も含まれるとのこと。特定の個人やグループを排除するという意味もあるので、外国人に使うときは注意が必要だ。  今回の、パンデミックに関する距離をとるという言葉として医学用語的には social distancing なのだそうだ。これは、公衆衛生を表す言葉で医学論文に掲載されたのが最初のようである。  しかし、WHOでは、social distancing という言葉も social distance という言葉と混同されてはいけないから(それぐらいソーシャルディスタンスという言葉は気をつけなくてはいけない言葉)、physical distancing(物理的距離)という言葉を使うように推奨している。  日本ではやたらとメディアが当たり前のように「ソーシャルディスタンスを取りましょう」と呼びかけているが、こうしたカタカナ英語の誤訳ともいっていい使用は、いい加減、十分注意する必要があるのではないだろうか。  そういえば、この言葉を広めてしまった一人に現職の東京都知事の方がそうではなかったかと思う。確かにやたらカタカナ英語を使うイメージがあるが、日本を代表する政治家になるのであれば、日本国民に分かりやすく外国人に誤解を与えないよう、やはりきちんとした日本語を使うべきではないのだろうか。  彼女に関しては、学歴どうのこうの言われているが、ことの真贋より、言葉の使い方である程度、その人の考え方というか人格が出ているような気がする。人を見極めるのは難しいが、その人の持っている肩書や勲章ではなく、一つ一つの言葉に丁寧に耳を傾ければ、この人物が信用できるか分かるような気がする。

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R2.5.3〜
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