乃木坂46柴田柚菜(18)がじわじわと上り調子だ。発売中の最新シングル「君に叱られた」収録のアンダー楽曲「マシンガンレイン」ではフロント(ポジション最前列)に抜てきされ、センター寺田蘭世(23)の脇を固める。今月から地元千葉のbayfm「金つぶ」(金曜午後7時)で初のラジオレギュラーにも就任。トップアイドルグループの乃木坂46らしい、高い総合力を備えた若手メンバーの1人だ。
小学生でプロ野球ロッテのチアを経験し、高校時代にはZOZOマリンスタジアムで売り子をしていた。当時から大の乃木坂46ファンだったという。
18年8月、12万以上の応募があった「坂道合同オーディション」に合格し、同11月に乃木坂46に4期生として加入した。高いポテンシャルを買われ、同12月に東京・日本武道館で行われた「4期生お見立て会」では、人気楽曲「制服のマネキン」をパフォーマンスする際にセンターを任された。
ただ、その後遠藤さくら(20)や賀喜遥香(20)はじめ同期が次々に選抜に入る中で、足踏みが続いた。「感情を表に出すのが苦手で、早く素の自分を出さないと、出さないと、と思っていたんですけど、どこでどういう風にどんな場面で出したらいいのか分からないまま、時間が過ぎていきました」と振り返った。
昨年、コロナ禍による外出自粛期間が意識改革のきっかけの1つになったという。「たくさん時間があったので、いろんなことをすごく考えました。どういう先輩みたいになりたいとか、こういう時こういう風に見てもらえばいいんだ、とか…」。少しずつだが、確実に自分を出し始めた。
「今年に入って誕生日を迎えた時に、この18歳の1年はアイドル人生の中で一番大事な年だぞ、と思って。ここで頑張れなかったらもう終わりだ、ぐらいの気持ちです。それも遅いと思うくらいで、ちょっと焦ってる部分もあります。でも焦ったところで何も変わらないので、小さなことから1つ1つ全力でやるって決めていています」
顕著に現れ始めたのは今年5月かもしれない。配信形式で行われた4期生ライブで、高い歌唱力を惜しみなく披露した。関係者によると、同ライブのリハーサル期間で人一倍練習を重ねていたという。さらに、初出演したニッポン放送「乃木坂46のオールナイトニッポン」では、10歳以上年上の先輩、新内眞衣(29)とトークを弾ませた。必要以上に遠慮しすぎず、時にフランクな掛け合いで、スタッフからも好評だったという。3カ月後の8月にもゲスト出演している。
以降も日本テレビ系「THE突破ファイル」やTBS系「再現できたら100万円!THE神業チャレンジ」、そして10月4日には「CDTVライブ!ライブ!」4時間スペシャルの特別企画で、グループ屈指の歌唱力を誇る久保史緒里(20)と2人でプリンセスプリンセスの「M」を歌い、愛称の「ゆんちゃん」がSNSのトレンドワードにもなった。地上波テレビの露出も徐々に増加。「ミート&グリート(オンライントーク会)」の人気も確実に伸びてきた。
自身は「同期の中でも、特に私はこれと言った強みとか、キャラとかがないんです」と言う。確かに、強烈なキャラクターも個性的なメンバーも多い4期生の中では、まだ比較的の振り幅の小さいタイプかもしれない。だが、裏を返せばルックス、パフォーマンス、どれをとっても高レベルだ。まだ18歳。将来的にはグループ屈指の総合力を誇る万能アイドルに成長するポテンシャルを秘めている。【横山慧】
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