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見城徹

[タイムバンカー総選挙]、やっぱり参加するのを見合わせました。今から参入しても、多分勝てないだろうと判断しました。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    シンジシンジ

    工場街

    黄金色の工場街に
    煙突が立っている、
    厳然と下された有罪判決のように、
    煙突が何本も何本も立っている
    真っ直ぐに黒々とした影をおとして
    ごうごうとけむりをはいている
    鉛のおもりを地面に打ちつける金属音が
    一定のリズムを刻みながら
    遠く遠く 夕焼けに波紋をひろげる
    人々はただ 黙々と働いている
    もうすぐ5時だ


    人々は汗をかいている
    すえた鉄の匂いと
    少しの煙草と
    出がらした3パックいくらのお茶と
    長年着ている作業服にしみついたほこりの
    匂いとが混ざりあった
    静かな労働の年月の汗をかいている


    それを茜色に光る腕でぬぐいとり
    あるいは
    もうもうと熱気を発散する溶鉱炉にしたたらせて
    ジュッといわせたりしながら
    無心に身体を動かしつづける
    今日、自分のなすべきことを
    与えられた仕事を
    ただ 黙々とやりつづける

    沢山の想い 沢山の願い 沢山の不満
    悲しみ それら全て 自分の命を含めて
    全ての事柄を
    意識の奥のもっと奥で享受し又諦め
    忘れようと努力しながら
    それから
    今夜のむたった一杯の酒について
    無邪気に心待ちにしながら
    働きつづける
    人々


    食用魚の銀鱗のなべ広がる
    夕暮れ間近の居並ぶ工場の屋根屋根
    てらてらと目を射るその輝きが
    いつの間にかあせる頃
    工場街はすっかり
    眠りにつく
    もうすぐ5時だ



    斉藤由貴
    「運命の女~ファムファタル~」より

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    ⬆︎ 僕はいい仕事をしてたなあ(笑)。シンジ、この詩は凄い。尾崎豊と斉藤由貴に当時、[吉本隆明詩集]を渡したけど、彼らはすぐに咀嚼して自分の言葉にした。尾崎豊の[白紙の散乱]、斉藤由貴の[運命の女]。この2冊の詩集は交錯し、共振し合っている。

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    吉川晃司、銀色夏生、尾崎豊、僕。4人で食べたキャンティも忘れられない。坂本龍一や林真理子、山田詠美、森瑤子ともよく行った。あの頃の西麻布キャンティは一際輝いていた。

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    間違えて入ってしまった今朝のclubhouseのトークにはイラついた。「成功」とか「夢」や「希望」という言葉を丸腰で使う人たち。自分が地獄を通って獲得した言葉でないから軽い、軽い、薄っぺらい。喋る価値など1gもない言葉の羅列。された質問も未だ人生をを生きていない中学生のHR以下だから答えるのもバカバカしい。ほうほうの体で抜け出したが、こんなトークルームもあるんだ、と勉強になった。

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  • 見城徹
    てんあつてんあつ

    ↑2021年3月~見城さんの過去のご投稿より。

    今日の見城さんの過去トークからのリトークは以上になります。
    おはようございます。

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ 上杉謙信の辞世は胸に沁みる。

    斉藤由貴の詩「工場街」は今、読んでも衝撃的だ。
    僕が編集長だった[月刊カドカワ]に斉藤由貴が《運命の女》を連載していた頃、尾崎豊にせがまれて斉藤由貴を紹介した。その後、直ぐに2人は激しい恋愛に突入する。才能と才能のぶつかり合い。命を削り合った恋。尾崎豊は逝き、斉藤由貴と僕はもう30年以上会っていない。無軌道な狂乱の日々。[月刊カドカワ]の黄金時代。
    一睡の夢のような熱狂だった。