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見城徹

70歳になると朝の迎え方が違って来る。目覚めて寝室から見る景色が愛おしい。また一日、歳を取った。死へのカウントダウンを意識する。 17、8年前だろうか?紅葉の季節にスリーハンドレッド・ゴルフ・クラブで石原慎太郎さんと僕がその日の最後の客になったことがある。レストランに隣接するラウンジで風呂から上がる石原慎太郎さんを待っていたら、数人に支えられながら一人の老人が息も絶え絶えにおぼつかない足取りでゆっくりと僕の横を通り過ぎ、バルコニーに出て行こうとしている。よく見ると某都市銀行のかつての頭取である。何事か?と尋ねた僕に支配人は静かにこう言った。 「よくプレイした当クラブのバルコニーからの景色をどうしても胸にお刻みになりたいと、病院からいらっしゃいました」 老人はバルコニーに座って昏れなずむ景色をじっと眺めている。石原慎太郎さんがやって来て僕たちはスリーハンドレッドを後にしたが、あの光景はずっと僕の胸に残っている。 人は生まれ、生きて、死ぬ。 朝から誰も逃れられないその定めを噛み締めている。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    見城徹見城徹

    時代は感受性に運命をもたらす。
    むきだしの純粋さがふたつに裂けてゆくとき
    腕のながさよりもとおくから運命は
    芯を一撃して決意をうながす。けれども
    自分をつかいはたせるとき何がのこるだろう?

    ーー堀川正美詩集[太平洋]より抜粋

  • 見城徹
    てんあつてんあつ

    ↑今朝の見城さんの過去トークからのリトークは、2017年と2018年のご投稿からです。

    しみじみと滋味溢れるトークでございます。
    おはようございます。

  • 見城徹
    三上雅博三上雅博

    おはようございます。
    今日は快晴。

    たまに食事に行く店でアルバイトしている男の子から働きたいとメッセージが来た。
    そしてすぐにそのお店のオーナーからも電話が来た。オーナーとは知り合いだ。
    アルバイトの子が僕に憧れて働きたいと言っている。それを尊重したいと言う内容だった。

    そのお店に食事に行った時に一言二言喋っただけなのですが、そんな風に思って頂き恐縮です。

    だから昨日会って話してみました。
    僕の偏った話を聞いて、帰る前に最後に彼が言った言葉は「天竺までお供させてください」。

    僕がどれだけ偏った話しかしないか、755の皆様にはわかってもらえている気がします。笑

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ 「天竺までお供させてください」
    いい話だ。幻冬舎の石原専務、舘野専務、小玉最高顧問。角川書店(現・KADOKAWA)の時から僕の部下で31年前、幻冬舎を一緒に作った。
    僕らは僕らの天竺に辿り着くだろうか?

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ とにかく収録したのが8月21日だったからもう2週間以上前である。4回に分けて配信したが、状況の推移は大体、言った通りになっていると思う。