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ナナ散歩だよ

童心のウォーターマークに 禁じられた心の色彩を 垣間見た… 幼きわざおぎの心に 秘して遠のきゆく愛憎劇… 哀しみの彼岸に 朧気な聖母の涙ぐむ微笑みを… いつぞやの夢よと 口遊み渡り逝く 己が死神… 蕭条とした気色に 溶け込んでゆく 地獄の苦患… 血獄の… "…時には嘘によるほかは  語られぬ真実もあることを"       (芥川龍之介)

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ナナ散歩だよのトーク
トーク情報
  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    時の流れを感じさせる
    砂時計の一粒の命砂

    オリフィスを抜けて
    生から死へ…

    さかしまな欲望とともに
    死から生へ…

    繰り返す天地鳴動劇

    流れに逆らう一粒の
    蹉跌を見つめつつ思う


    冬の寒空を見上げると
    オリオン座の
    三ツ星の間隙の一点から
    未来の時間のアルファ粒子が
    降り注いでいるのがわかる

    時を刻む虚しさを
    砂時計は教えてくれる

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    年末はずっと忙しいと
    思って来たけれど…

    いろいろあるし
    いろいろあっても
    お互いの心模様は
    いつまでたっても
    伺い知れないから

    だからこそ
    それぞれの時間が
    ゆっくりと
    干渉し合ってゆける

    水と油は交じりあわないけど
    おもいっきり振って振って
    ぶつかってこすれあって
    ひと味違うドレッシングの
    出来上がり

    神さまと私の一年が
    もうすぐおわり
    もうすぐはじまる

    積み重ねてきた
    日常生活が
    ひとつ咳払いをして
    はじめの一歩に帰るとき
    平行線路は交じりあわないけど
    それでいい
    どこまでも続いてゆければ
    それでいい…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    春夏秋冬の
      こころの葛藤に思い悩み…

    お腹いっぱいの憂鬱と
      幸せ未満の贅沢とともに…

    神さまと一緒に
    今を生きてきた。。。


    家庭の重みは
       歳月の重み……

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    早起きのナナは
    ラジオ体操の始まる時間に
    枕元で鼻を鳴らし出す
    寝返りをする度に
    鳴く声が大きくなって
    いったりきたり
    床板まで鳴らし始める…

    雨模様の朝は
    スプリーンな気分だけど
    手袋のいらない
    優しい空気だから良しとする

    ナナは
    黄色いカッパに着替えさせ
    広めの傘に一緒に隠れて
    最短コースを歩き抜ける
    頭と尻尾をたっぷり濡らして
    ナナ散歩を終える

    庭先では
    帰りを待っていた
    シジュウカラたちが
    ちゅぴちゅぴ
    地鳴きし合って
    エサ場の充実の催促だ
    雨宿りしながら
    メジロも待っている…

    耳鳴りのする
    折れ曲がった夢を見たりして
    目覚めが重い朝でも
    さまざまな日常生活の灯が
    嬉々として今日も
    グラデーションを
    繰り広げる

    静かに寄り添って
    ながれてゆく
    忘却の時間…


  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    疑問を棄てた孤独…

    大家になれない戸建…

    愛憎烈しく強く
    血が荒れる
    家族の幸せelegy…


    場末のスクリーンに
    映っていただろう
    日常生活の欺瞞に
    物心ついた最初の
    顔のない指人形が微笑み返す

    思い出したくもない
    横倒しの砂時計…

    昨日までの僕が
      今を引きずり
    何度めかの死を
       すり抜けてゆく…。






  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    小さな薪小屋の
    屋根の修理を始める

    東側は日射したっぷり
    のみ込んでウエハース状態

    西側はモクレンの木の影で
    うっすら塗装の剥げ落ち程度

    新しいものはそれなりに
    魅力的ではあるけれど
    古くなってゆくものに
    いつまでも手を入れ
    触れている感じが
    心地よい。。。


    朽ちてゆく色心の灯り
    ゆっくりと
    手をかざしてゆくつもり…