ログイン
詳細
ナナ散歩だよ

穏やかな毎日を 五感で送っているけれど 時々ハッとすることがある 人と人との間には 柔らかな 深淵があるようだ すれ違う笑顔で 壁は簡単に乗り越えられる 声色は自由に投げ合える 互いに幸せの結び目は いっぱい持っている けれど… ふとした瞬間に 命が沈んでゆく… ちぐはぐな生を重ねて ひと巡りを迎えて ますます涙脆くなってきた 隙間だらけのシナリオが 風にめくられてゆく… 昔の不始末が 鮮明に追いかけてくる 目を瞑ればますます 息苦しくなる ギリギリのひとり芝居が 終幕を迎え 今は昔を滑り 墜ちてゆく… …想いが現実を弾いている 夢にまどろむ男が 夢をたしなむ女に恋い焦がれ いつまでも憧れに似た後悔に 浸っている とんちんかんな世間の悪戯を 静かに迎え撃つ日々 なんだか 生きにくい世界に 足を取られて いるが… 神さまの息遣いと ナナの花衣に包まれて 日常生活のフライパンに 火を入れるのだ そうして 一日の始まりを 三たび迎える。。。

前へ次へ
ナナ散歩だよのトーク
トーク情報
  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    お山の公園へ
    通じる小径の片隅に
    寄り集まった落ち葉の上を
    サクサクサクリと
    踏み進む…

    ふうっと
    足元がとても軽くなって
    さっきまでの
    私の重かった心が
    ひとひらの
    小虫の噛んだ
    落ち葉のひとつに
    なって
    足元に消えてしまった…

    孤独は
    ひとりでは味わえないと
    落ち葉のひとつが
    つぶやいた…

    どうぶつたちの謝肉祭が
    始まっている朝の
    ナナ散歩より

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    ………………………………

    万有引力とは
    ひき合う孤独の力である

    宇宙はひずんでいる
    それ故みんなはもとめ合う

    宇宙はどんどん膨んでゆく
    それ故みんなは不安である

    二十億光年の孤独に
    僕は思わずくしゃみをした

         (谷川俊太郎)



    "ねむりのまえに
        僕は祈ろう"

      目覚めた僕は祈ろう…


    "さびしさをたえて
        僕は祈ろう"

      感謝をたずさえて  
          僕は祈ろう…


  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    カーテンが重たい朝
    どんよりとした寒さが
    やっぱり冷たい雨を連れてきた

    昨晩
    オリーブを照らしている
    ハイビームが球切れしていた
    取り上げるとソケットから
    白々しい煙りが漂い出した
    玉のような水滴たちが
    球の中で游ぎ廻っていた

    小さな出来事も
    大きな不安を横目に
    時を刻んでゆく…

    レンズの欠けた眼鏡が
    ぼんやりした毎日を
    整理整頓してゆく…

    冷たい雨はそれでも
    時が来るのを
    待っている

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    白い息が
    だんだんと
    長くなってきて

    まわりの景色も
    くっきりと境界線を
    描き始めてきた

    雨上がりの
    寒い朝の光は
    凍てついたカーテンの
    ほんのわずかの隙間からも
    入り込んできて
    ぐずついた寝顔を
    覗きこんでくる…

    幼い心の片隅に
    忘れてしまっていたことが
    突然ポッと
    思い出されてしまう
    きのう今日

    スクランブル交差点に
    ひとり赤信号で
    取り残されてしまったような
    人間関係にとまどい
    悩み逃げ込んだりして…

    アスファルト脇の
    水溜まりのような人生

    つまらぬことが
    浮かんでは消えずに
    忙しない日常生活に
    纏わりついてくる…

    言葉に閉じ込められた
    仮装空間で
    賑やかな攻防が
    始まっているようだ

    私のちっぽけな日常世界も
    愚図ついていられなく
    なったのだろうか…

    無言の群れが
    深淵に潜んでいた
    レミニッサンスを
    変えてゆく…


    晩秋の曲がり角で
    ひとひらの影り葉に
    浅い光が射しているのを見た時
    ふるえる心のひとつが
    はがれ落ちた
    気がした

    すれ違うわだかまりを
    抱えたまま
    今の僕は
    移りゆく季節を
    静かに受け入れてゆくだけ

    自然の冷徹な優しさに
    甘えながら…

    さあれ…
    ナナ散歩だよ。。。

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    「勇気とは
     起立して声に出すことである

     勇気とはまた
     着席して
     耳を傾けることでもある」

          (W・チャーチル)



    「 …………………
     どんな事態に直面しても
     "それにもかかわらず!"
     と言い切る自信のある人間。
     そういう人間だけが政治への
     "天職"を持つ。

          (M・ヴェーバー)


    政治的未熟児たちの
    跋扈するお遊戯世界を
    見せられて思う…