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K0183のトーク
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  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、おはようございます。

    白衣の下に隠してきた絶望がある。
    見ないふりをしてきた無力がある。

    白い光は、それを赦さない。
    傷を照らす。
    迷いも照らす。
    まだ疼く良心まで照らす。

    絶望と無力を知った手だけが、最後まで離さない。

    今日もまた、白い光の下に立つ。
    あの少年を連れたまま。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんにちは。

    開頭手術で、脳動脈瘤が術中に破裂した。

    全血液量の四分の一。
    術野が赤に沈む。

    心は凪いでいた。

    赤い海の底に、かすかに見える糸を手繰る。
    掴んだら、離さない。

    患者は、無事だった。

    術後、亡き師匠を思い出した。

    術中に何か起きると、師匠は鬼の如く怒った。
    鬼が、怖かった。

    その鬼が、血の海の中でも、私の手を握っていた。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんにちは。

    師匠との別れの数ヶ月前のことだった。

    永遠の別れが来るなんて、思ってもいなかった。

    二人で話していた時、ふと師匠が言った。

    「儂は、本当は全然怒っていないんだよ」

    鬼が、笑っていた。

    なぜ、いつもこんなに私を可愛がってくれるのだろう。

    聞けなかった。

    あの笑顔の奥に、いまも手が届かない。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、おはようございます。

    術中に破裂させた部下の手が、震えていた。

    怒りは、全くなかった。
    何も言わなかった。

    かつて、スランプで辞めようとした時、師匠が言った。
    「儂が必ず立派な脳外科医にしてやるから、絶対に辞めるな」

    怒鳴られた後の自分も、こうだった。
    震えて、何も手につかなかった。

    それでも辞めなかった。
    鬼が、離さなかったからだ。

    部下は、持ち場に戻っていった。

    鬼が、この手を握っていた。
    私の沈黙が、あの手を握った。

    聞けなかった問いの答えが、自分の沈黙の中にあった。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんにちは。

    師匠が亡くなった時、私はもう遠く離れていた。

    訃報を聞いて、ホッとした。

    もう戻れないのに、なぜ毎日悲しいのだろう。

    遠く離れても、私の持ち場はまだ師匠の前だった。

    師匠が逝って初めて、気づいた。

    遠く離れていた私の一部が、戻ってきた気がした。

    心底、尽くし切った者だけが知っている安堵だ。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    見城徹見城徹

    自己救済こそ[表現]の初発なんだよ。
    ゴッホは自己救済のために絵を描き、モーツァルトは自己救済のために曲を作った。村上春樹だって村上龍だって自己救済のために小説を書いたんだよ。表現することによって救われる。表現=妄想=想像力だ。全ての芸術作品は妄想から始まる。

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  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんにちは。

    自己救済こそ[表現]の初発。

    いつか、表現したい。
    人の心を貫く何かを表現したい。

    まだ何も始まっていない。
    どうしたらいいのかも分からない。

    だが、表現すべきものが、自分の中にあると信じた。

    救われたいだけではない。
    救いたいものがある。

    師匠に、捧げたい。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんばんは。

    今日は本来、休みだった。

    疲れていた。
    昨夜は久しぶりにカーテンを閉め、かなり早い時間から眠った。
    普段は閉めない。暗くすると眠りすぎる。
    朝日で起きられるようにしておきたい。

    十二時間、眠った。
    夜中も起こされなかった。

    深い眠りの底で、夢を見た。
    師匠の夢だ。

    見る夢は、いつも決まっている。
    脳が頭蓋からはみ出してきて、千切れて、床に落ちる。
    そこで目が覚める。
    夢でよかったと、心底思う。

    夢は過去ではない。
    身体に残った現実だ。

    床に落ちた脳の音で、今日が始まった。
    夢の中の師匠は、何も言わなかった。

    師匠と二人で、命を賭けて戦い続けた疾患がある。
    日本中の誰もが手を出さない難症例。

    あの夢は、いつも手術の直前に来る。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。

  • K0183
    K0183

    見城さん、755の皆さま、こんばんは。

    夢から覚めて、洗濯をして、布団を干した。
    少し遅い朝食に出かけようかと思っていた時、部下から緊急の電話が入った。

    「脳出血の患者が搬送されてきて、脳ヘルニアを起こしかけています。緊急で開頭しないと救命できなさそうです。……ただ、少し様子がおかしいんです」

    脳動静脈奇形。
    師匠と命を賭けて戦い続けた、あの病名だった。
    落ちる脳の音が、部下の声の奥で響いた。

    師匠の夢を見て起きた朝。
    その病名が、電話の向こうから戻ってきた。
    できすぎた話だと思いながら、病院に向かった。

    休日の病院は静かだった。
    身体の奥だけが先に手術室へ向かっていた。

    あの夢は、予兆ではなかった。
    召集だった。

    夢は終わっていない。
    手術室で、待っていた。

    正直、誠実、善良、真心。
    本日もよろしくお願い申し上げます。