見城徹のトーク
トーク情報見城徹 見城徹見城徹 ↑ 高校2年のとき、僕も日本史の授業をボイコットしたことがある。退学になってもいい。そう思った。
「僕はこの授業をボイコットします」
そう教師に言って教室を出る時、覚悟を決めた。無人だった理科室に入って読書をしていたらクラスメイトが呼びに来た。そこからの経緯は長くなるので改めてまた書く。
大学に受かって職員室に行ったら、その教師に声を掛けられた。
「おめでとう。あの時、君は凄い奴だと思ったよ」
「いや、違います」と言いかけて僕は言葉を呑んだ。
「間違っていると思ったことを指摘する以上、ああするしかなかったんです。だからリスクを取っただけです」というようなことを言いたかったのだが、言わなかった。僕の個体の掟を理解してもらおうと欲するのは傲慢だと思ったからだ。
世間や学校のルールや価値観で生きたくない。
さくらやumiの言葉から湧き上がるのはそういうことだと思う。- 見城徹
見城徹 ↑ この時の自分を抱きしめてやりたい。
日本史のA先生が教室に入って来た。O君が口笛を吹いていた。そのことにA先生が怒った。Y君を犯人扱いして彼を教室に立たせた。
「口笛を吹いていたのはY君ではない。貴方は間違っている。しかも、口笛ぐらいで目くじら立てなくてもいいじゃないか」
僕がそう言って、A先生と言い争いになった。
埒が開かなかった。本当に口笛を吹いていたO君が名乗り出て欲しかったが、名乗り出なかった。
クラスメイトは沈黙している。僕は引き下がるつもりはなかった。退学を覚悟した。それでもいいと思った。
「あなたは間違っています。僕はこの授業をボイコットします」
と言い放って教室を出た。勿論、誰も付いて来なかった。退学になったら母親が悲しむだろうなあと思いながら、近くの理科室で読みかけの小説を読んでいた。あの時の気持ちははっきりと覚えている。謝りに戻る気はなかった。どうなってもいいと覚悟を決めた。あの時の自分はもういない。