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映画「ひそひそ星」鑑賞 人類は数度にわたる災害と人災を繰り返し、衰退の一途にあった。宇宙は機械によって支配され、人工知能を持つロボットが8割を占めるのに対し、人間は2割にまで減少し、いまや星々に散らばって暮らしている。 電池交換式のアンドロイド・鈴木洋子は、畳敷きの宇宙船に乗り込み、相棒のコンピューター“きかい6・7・マーM”と共に星々を巡って人間に荷物を届ける宇宙宅配便の配達員だ。 ある日、洋子は大きな音をたてると人間が死ぬ可能性のある「ひそひそ星」に住む女性に荷物を届けに行く……。 脚本を25年前に構想し、時間をかけ綿密に作られた映画。 モノクロの画面、派手な動きもなく、会話もほとんど呟き程度の音量。 瞬時に物体を移動できるテレポーテーションがある時代に、なぜ人間は数年もの時間をかけて物を届けるのか。 届けられるのは物質ではなく、思い出だ。 ペン1本、蝶々の標本、とるに足らないものを梱包したかのように見える配達の品は、それに詰められた記憶を運んでいる。 撮影された福島の町並みは、決して惨状を伝えるための映像ではなく、時の経過によって消え行く風景として、映画の世界に説得力を添えていた。 畳敷きで蛍光灯には虫が入り込み、カバーを外すとコンセントとコードでいっぱいの宇宙船は、ファンタジーにしてレトロ。 配達先に登場する人間との会話は、無機質だが人間くさく、とてもノスタルジックに描かれている。 全編ほとんどがモノクロで構成され、一瞬見せた草原の青さは絵画のように脳裏に張り付いた。 荷物とは思い出だ。 いつかはなくなってしまうこの場所にもあの風景にも、それを記憶する人間がどこかにいるのだろう。

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AYUKOのトーク
トーク情報
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    メモ

    ナショナルシアター
    「リア王」観劇

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    ロベール・ルパージュひとり芝居
    『887』

    ルパージュを取り巻く人々と社会体制の変化。
    父親の仕事が理由で最高級を取りながら私立に進学できなかった過去を語りながら、次第にそれはマイノリティであるケベック民族の話に発展してゆく。


    スピーク・ホワイト!

    白人の言葉を喋ろ。


    フランスに忘れられたカナダ。
    1960年代のケベック・シティーで育った彼は、子供の時に住んでいた「887」番地を思い出しながら、過去と現在を重ね合わせる。

    カナダの国旗はなぜ赤1色になったのか。
    なぜ私立に進学できなかったのか。
    国とは。
    民族とは。
    カナダでフランス語を話すということは。

    世界一有名といっても過言ではないほどの演出家、そして映像の魔術師と呼ばれるロベール・ルパージュ。
    ライブや舞台の映像演出方法はすべめ彼が生み出してきたと称されている。

    ミニチュアの中と外、iPod touchを使った映像投影、折り畳みセット、すべてが異空間を作り出す革新的演出方だった。

    しかし特筆すべきは、英国のEU脱退が決まったその日に幕をあげたこの舞台の運命的要素と、物語終盤の独白。
    それは、イギリスもフランスも、そしてカナダ自身さえも忘れかけていたような“記憶”を、血の混じった咳のように吐き出される、怒りと狂気の混じった叫び。

    スピーク・ホワイト!!

    ミシェル・ラロンドの詩に乗せた幕切れは、熱い言葉の強さに隠された、砂を噛むようなルパージュ自身の記憶と、カナディアンの歴史を垣間見させてくれた。

    これがいまの日本にどう受け入れられるのか、周りの感想が楽しみでしかたない。


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    メモ

    「教授のおかしな妄想殺人」
    「ファインディング・ドリー」
    鑑賞

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    しばらく書くのさぼってた~

    『母と惑星について、および自転する女たちの記録』
    『ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~』
    『新・幕末純情伝』
    『舞台マジすか学園』
    『天使は瞳を閉じて』
    『ビニールの城』
    『イヌの日』
    鑑賞。

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    映画
    「ペット」
    「AMY エイミー」
    「君の名は。」
    「シン・ゴジラ」
    「怒り」
    「真田十勇士」
    鑑賞。

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    舞台
    『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』
    『兵士の物語』
    オックスフォード大学『夏の夜の夢』
    『ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ 或いは、泡ニナル、風景』
    『テレーズとローラン』
    『眠れる森の美女』
    『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』
    『来てけつかるべき新世界』
    『真田十勇士』
    『CRESSIDA』
    『嵐になるまで待って』
    『クラゲノココロ』『モモノパノラマ』『ヒダリメノヒダ』
    鑑賞。