Let It bleed
トーク情報じょんれのん。 ゆうこりんゆうこりん 【月】
2023年10月13日公開
監督: 石井裕也
フォトグラフィックなカメラワークのカットと、いつも夜のような施設の中の重く、不気味ささえ感じる映し方が印象的。
日常に戻ると色彩を取り戻して、ホッとするのも束の間、主人公の洋子の常に悲しげで深刻な表情。
オダギリジョーってあんな優しいどこか正気のない表情だっけと感じるほどの柔らかくも秘めた役柄。
そして二階堂ふみが澱みのある良い演技だ。
冒頭は津波の後であろう、
暗くて見えない。
稲光りの様な光が世間全体を晒して、見えていなかった美しくないものを暴き出す様だ。
辛辣な陽子(二階堂ふみ)が洋子に
「都合の悪い部分を全部排除して、希望に塗り固めた小説書くって……善意の形をした悪意なんじゃないですか?」というセリフが後半の犯人さとくんの狂気へのスタートに感じた。
「何のために生まれてきた?」
何度か繰り返されるセリフ。
さと君こと、磯村勇斗の段々と増していく存在感。狂気と現実。
隠された本音とは無駄で非生産的なものを排除することと狂っていく。
長尺で重くてため息が出たが、飽きずに観ることができた。
しかし、この事件は重い。
三日月が美しく怖い。
この映画のTHE ENDのやり方…どこまで観衆に背負わせるのか、突きつけるのか…
私自身、どう考えていくのか、複雑だ。
※原作は「津久井やまゆり園」で発生した元職員による『相模原施設殺傷事件』を元に着想を得た作家・辺見庸の同名の小説。
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カーネルサンダースかと思ったらトランプだった🤣 - じょんれのん。
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まるで謝肉祭のようなシャンパンファイト(*•̀ㅂ•́)و✧ じょんれのん。 削除されたユーザー削除されたユーザー 別れ アルチュウル・ランボオ(小林秀雄訳)
もう秋か。——それにしても、何故、永遠の太陽を惜しむのか、俺達はきよらかな光の発見に心ざす身ではないのか、——季節の上に死滅する人々からは遠く離れて。
秋だ。俺達の舟は、動かぬ霧の中を、纜〔ともづな〕を解いて、悲惨の港を目指し、焔と泥のしみついた空を負ふ巨きな街を目指して、舳先をまはす。あゝ、腐つた襤褸〔らんる〕、雨にうたれたパン、泥酔よ、俺を磔刑〔たくけい〕にした幾千の愛欲よ。さてこそ、遂には審かれねばならぬ幾百万の魂と死屍とを啖〔く〕ふこの女王蝙蝠〔かうもり〕の死ぬ時はないだらう。皮膚は泥と鼠疫〔ペスト〕に蝕〔むしば〕まれ、蛆虫〔うじむし〕は一面に頭髪や腋〔わき〕の下を這ひ、大きい奴は心臓に這ひ込み、年も情も辨〔わきま〕へぬ、見知らぬ人の直中に、横〔よこた〕はる俺の姿が又見える、……俺はさうして死んでゐたのかもしれない、……あゝ、むごたらしい事を考へる。俺は悲惨を憎悪する。
冬が慰安の季節なら、俺には冬がこはいのだ。
——時として、俺は歓喜する白色の民族等に蔽〔おほ〕はれた、涯〔はて〕もない海浜を空に見る。黄金の巨船は、頭の上で朝風に色とりどりの旗をひるがへす。俺はありとある祭を、勝利を、劇を創つた。新しい花を、新しい星を、新しい肉を、新しい言葉を発明しようとも努めた。この世を絶した力も得たと信じた。扨〔さ〕て今、俺の数々の想像と追憶とを葬らねばならない。芸術家の、話し手の、美しい栄光が消えて無くなるのだ。
この俺、嘗〔かつ〕ては自ら全道徳を免除された道士とも天使とも思つた俺が、今、務めを捜さうと、この粗々しい現実を抱きしめようと、土に還る。百姓だ。
俺は誑〔たぶら〕かされてゐるのだらうか。俺にとつて、慈愛とは死の姉妹だらうか。
最後に、俺は自ら虚偽を食ひものにしてゐた事を謝罪しよう。さて行くのだ。
だが、友の手などあらう筈はない、救ひを何処に求めよう。