ナナ散歩だよのトーク
トーク情報- ナナ散歩だよ
ナナ散歩だよ 白い息が
だんだんと
長くなってきて
まわりの景色も
くっきりと境界線を
描き始めてきた
雨上がりの
寒い朝の光は
凍てついたカーテンの
ほんのわずかの隙間からも
入り込んできて
ぐずついた寝顔を
覗きこんでくる…
幼い心の片隅に
忘れてしまっていたことが
突然ポッと
思い出されてしまう
きのう今日
スクランブル交差点に
ひとり赤信号で
取り残されてしまったような
人間関係にとまどい
悩み逃げ込んだりして…
アスファルト脇の
水溜まりのような人生
つまらぬことが
浮かんでは消えずに
忙しない日常生活に
纏わりついてくる…
言葉に閉じ込められた
仮装空間で
賑やかな攻防が
始まっているようだ
私のちっぽけな日常世界も
愚図ついていられなく
なったのだろうか…
無言の群れが
深淵に潜んでいた
レミニッサンスを
変えてゆく…
晩秋の曲がり角で
ひとひらの影り葉に
浅い光が射しているのを見た時
ふるえる心のひとつが
はがれ落ちた
気がした
すれ違うわだかまりを
抱えたまま
今の僕は
移りゆく季節を
静かに受け入れてゆくだけ
自然の冷徹な優しさに
甘えながら…
さあれ…
ナナ散歩だよ。。。