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ナナ散歩だよ
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他人を励ますことはできても 自分を励ますことは難しい だからーーというべきか しかしーーというべきか 自分がまだひらく花だと 思える間はそう思うがいい すこしの気恥ずかしさに耐え すこしの無理をしてでも 淡い賑やかさのなかに 自分を遊ばせておくがいい 『自分自身に』        (吉野 弘) ………… ……………… いろいろ浮かんで いろいろ流れて 言の葉が色ずいた先に 舞い降りたフリクション… 人見知り 人濃いし ひとり芝居のラビリンス… 還暦を迎える古都死 折り畳んでゆく轢死 ゆるやかに躓いて逝くよ なんて ひとり呟いてみた… 人離 笑ってみた… 日常生活が 心を優しくしてくれた 一念経ったんだね 755… ナナ散歩だよ…

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ナナ散歩だよのトーク
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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    朝の目覚めは少し早くて
    ラジオの声に微睡んでいると
    カタカタ地震がやって来た
    直ぐに止んだ…


    自分と向き合うのは
    とても難しい

    小説の処女作から
    抽出したような
    無数の人間像が
    自分を取り巻いて
    もがいている

    自分の目に入る世界から
    自分の眼に映る世界から

    出入りの激しい言動が
    垂れ流されている

    言葉の裏書きは
    その行動に示されるか…

    そう簡単では無さそうだ。。。

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    へん頭痛が
    瞼を重くする朝…

    いつものように
    モカ豆を挽いて

    雨上がりの雫が
    躊躇いがちに落ちるように
    ミルクを垂らす

    カップに木霊する
    耳鳴りのような生活音を
    ただぼんやりと
    聴き流している

    因果応報…

    振り返るほど
    生きて来なかったけど

    眼の前を
    通りすぎてゆく世界は
    揺らめく炎の残影に
    似て非なるもの

    眼に見えない
    ふれ合う空気の温かさが
    ふたりの幸せを
    気づかせてくれる

    今年初めての
    薪を焚べながら
    ぼんやり
    微睡んでみた。。。

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ

    とても静かな
    日常を乗せた世界が

    とても忙しく
    意識を謎っている

    言葉の水溶液に翻弄されて
    ちっぽけな言い訳が
    息を吹き返す…

    そんな世界の片隅で
    身体が描き始めた
    私の命のかたち

    偶然の
    出会いと別れは
    青と赤との
    デカルコマニー…

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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    ろくじはんになったら

    らじおたいそうだいいち

    はじめるよ


    眠たい目をストレッチして

    パジャマのままだけど

    うちの神さまとの

    唯一のコラボ

    だから…

  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    手袋を慌てて探す
    朝のナナ散歩…

    一方、
    喜び勇んで
    階段を滑り落ちた
    ナナの脚先は
    夏の脚袋を履いたまま

    早速、
    散歩から帰ってきて
    小さなハサミを持った瞬間
    手脚を隠して上目遣いのナナ

    脚引っ張られて
    くすぐったくて
    挟まれて痛くて

    ナナ、わかるよ
    視力の落ちた下手くそな
    カットマン

    側で神さまが
    口だけ応援している

    薪の弾ける音が
    この騒ぎを更に盛り上げる

    この日の寒さが
    窓越しに張り付いて
    諦めたナナの手脚の行方を
    見守っている

    なんでもない時間に
    つまずいて苦笑いの
    日曜日の前の日の
    できごとでした。。。

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  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ
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    ひとり呑む酒は
    侘しさに包まれた
    琥珀の微笑…

    思い出したくもない
    ことばかり…

    氷の割れる音とともに
    良くできた後悔がひとつ
    人つと消えてゆく…

    バーボンは
    酔えない心を
    優しく慰めてくれる…




  • ナナ散歩だよ
    ナナ散歩だよ


    お山の公園へ
    通じる小径の片隅に
    寄り集まった落ち葉の上を
    サクサクサクリと
    踏み進む…

    ふうっと
    足元がとても軽くなって
    さっきまでの
    私の重かった心が
    ひとひらの
    小虫の噛んだ
    落ち葉のひとつに
    なって
    足元に消えてしまった…

    孤独は
    ひとりでは味わえないと
    落ち葉のひとつが
    つぶやいた…

    どうぶつたちの謝肉祭が
    始まっている朝の
    ナナ散歩より