ikutamaのトーク
トーク情報- ikutama
ikutama 豊饒の海(1〜4)6.20〜10.3
いつもの半分位の速度で読み、やっと小説の世界に入り込めた。
三島由紀夫が全力で書いた作品、一つ一つの文章をゆっくり味わう価値がある。散りばめられた表現や哲学、様々な仕掛けや登場人物の心情、驚きの連続だった。読み終えて、「春の雪」「奔馬」「暁の寺」「天人五衰」というそれぞれの題名が心に染みる。こんなにも切なく淡く爽やかで厳しい物語が他にあるだろうか。三島由紀夫の中には、どれ程繊細で、大胆な心が詰まっていたのだろうか。改めて三島由紀夫に興味を持った。
思想を直接的に表現したり、ドキドキさせるドラマの展開があったりする。正直3割から4割くらいしか理解できていない。それでも最後まで読めたのは、
「自決当日に完結させた書いた小説」それを知りたかった。全て覆す結末。三島が人生で感じたもの。全てを救うと同時に全てを否定する。
読み終えて、次の荒野を探す。動けないならまた読書する。読書できないなら動くしかない。