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見城徹

「癒着」という言葉の意味について『広辞苑』を引いてみると「本来関係あるべきでない者同士が深く手を結び合うこと」と書かれている。癒着は悪い意味で使われることが多い言葉だが、仕事を成功させるためには非常に重要な要素だ。  癒着とはどういう状態を指すか。お互いがお互いを必要として結果を出す唯一無二の関係だ。しかし、誰かと癒着するにはキラーカードを持っていなくてはならない。  相手が喉から手が出るほど欲しいキラーカードをこちらが持っている。そして「どうぞ使ってください」とそのキラーカードを惜しげもなく差し出す。  相手も手元にキラーカードを持っており、見返りにそのキラーカードを差し出してくれる。ギブ・アンド・ギブという無償の贈与、テイク・アンド・テイクという無償の報酬の関係は癒着とは言わない。ギブ・アンド・テイクの対等な関係の上に癒着はある。  もし君がキラーカードを1枚しか持っていなければ、その1枚を人に渡してしまった瞬間に弾切れになる。一時的に相手と癒着の関係が構築されるかもしれないが、次に渡すべきキラーカードが1枚も残っていなければ、癒着の関係は早々に終了する。  パートナーとして長く癒着の関係を保つためには、キラーカードを何枚も手元に持っておかなければならない。お互いが圧倒的努力を重ねて何枚ものキラーカードを常に獲得し続けるからこそ、お互いがお互いを必要とする癒着は続いて行く。  そして、キラーカードを切り合った先に、大きな成果が出ると癒着は益々深くなる。  勘違いして欲しくないのだが、「癒着」と「人脈」は似て非なるものだ。僕は「人脈」という言葉を聞くと虫酸が走る。 「仕事ができる人間になるためには人脈が重要だ」と考える人は、異業種交流会やパーティにやたらと出席しては名刺交換に勤しんでいる。大勢の人間が集まる場で名刺を渡し、通り一遍の薄っぺらい世間話をしたところで、癒着と言えるまでの濃密な関係を築けるわけがない。残るのは顔も思い出せない人たちの名刺の山だ。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    見城徹見城徹

    ゲバ棒とヘルメット。デモの隊列の中に震えながら僕はいた。僕は君たちのために、君たちは僕のために世界は変えなければならなかった。50年が経った。世界は変わらない。僕はオメオメと生きている。自分を正当化して生きている。

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  • 見城徹
    てんあつ.てんあつ.

    夢、希望、理想。
    僕にもきっと有ったはず。でもそれももう幻のようなものだ。遠い遠い幻想になってしまった。
    唯一諦めなかったことと言えば、生きることだけだったような。
    人生の勝者は、自ら死を選ばない者だと誰かの言葉を胸に生きて来たように思う。

    見城さんの言う「死ねないんだから生きる。それしかない。」この言葉に尽きる。
    そしてオメオメと生き、無名の民として閉じて行こう。それでも幸せだったと胸を張って。

  • 見城徹
    見城徹

    ↑ このまま試合は終了しました。ドジャース5安打の内、4本が大谷翔平。大谷3打点、ヘルナンデス2打点。いずれも本塁打での打点。つまり、大谷翔平の4安打(ホームラン2本)以外はヘルナンデスの2ランだけ。大谷翔平の存在感が今シーズン、最も鮮明に刻印された試合でした。