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見城徹

映画[去年の冬、きみと別れ]の面白さと深さと凄さを何と表現したらいいんだろう。最初から映画の世界にのめり込んで息つく暇もなかった。あっという間に2時間が過ぎる。面白い映画にある都合の良さや矛盾点も一つもない。ストーリーも映像も役者たちの演技も非の打ち所がない。人間の純情と狂気を描いて、そして人間の多面性とやるせなさを描いてこんなに完璧な映画がかつてあっただろうか?生きるとは何か?運命とは何か?人が人を愛するとはどういうことか?その本質を描きながらストーリーは目も眩むようなどんでん返しが連続する。陰鬱だが観る者の胸を鷲掴みにする映像。役者たちの圧倒的な演技。驚愕のラスト。最初は斎藤工に、途中から北村一輝に、そして後半は岩田剛典の演技に舌を巻く。山本美月、浅見れいな、土村芳も渾身の演技。脚本も音楽も素晴らしい。徹底したリアリティとパーフェクトな計算。瀧本智行監督は奇跡の映画を作り上げた。 「去年の冬、きみと別れ、僕は化け物になることを決めた」 今もこの言葉が全身を駆け巡る。頭が沸騰する純愛ミステリー。今夜は眠れない。

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