昔、白い狼の夢を見た。
彼女は傷だらけで戦う僕の唯一の味方だった。唯一心を許せる愛おしい存在。
その白い美しい毛を自らの血で赤く染めながらも、次々と押し寄せる敵の攻撃から僕を守るためその身を犠牲にして共に戦ってくれる。僕達はボロボロになりながらも命からがら安息できる場所に身を隠した。
自分の方が傷だらけなのに心配そうに僕の傷を舐めてくれる。
僕は自分の服を切り裂いて彼女の傷の手当てをする。そこで目が覚めた。
そんな夢を見てしばらくして女将と出会った。
夢に出てきたその白い狼は女将だったのだと思っている。