見城徹見城徹2020年10月28日 00:53↑ 百田尚樹[地上最強の男]を読んだ時、僕はあまりにこの著作に圧倒されて、言葉も出なかった。僕のボクシング愛など何ほどのこともない。元ボクサーで現在は大ベストセラー作家の精神と肉体の膂力をまざまざと見せ付けられた。その時、僕は二度とボクシングのことは口しまいと決めたのだ。僕の語って来たボクシングなど自意識過剰の単なる自己満足に過ぎない。そう思い知らされた。 こうして今、書いているのはWBA世界ミドル級チャンピオン村田諒太のレビューに激しく心を揺さぶられたからだ。特に最後の8行は村田諒太が現役の世界ミドル級チャンピオンであるだけに腹に効く。[地上最強の男]という圧倒的な百田尚樹の著作の中で黒人初の世界ヘビー級チャンピオン[ジャック・ジョンソン]について書かれた5、6、7章は白眉であり、村田諒太を強く刺激し、感動させたことは間違いない。[地上最強の男]には100年にわたるアメリカの絶望と歓喜、葛藤と栄光が、ボクシングを戦う男たちの人間ドラマの中に見事に描かれている。これ以上のボクシングの本はもう二度と出て来ない。そう断言出来る。1
見城徹7時間前見城徹見城徹窓を開けると風が冷んやりとして気持ちがいい。木々が光を浴びて葉を揺らしている。遥か向こうには青い山々が聳え、空は高く澄んでいる。北国の夏。晴れた日には永遠が見える。宇宙の時は悠久として流れ、止むことはない。僕は宇宙の一部として今この一瞬にここに在る。朽ちて果てるのは万物の定め。永遠の中の一瞬。ここに在ることの奇跡を想う。人生は一夜の夢。100年後から見たら今の僕の悩みなど何ほどでもない。だから、振り切る。だから、この一瞬を狂って生きる。 3031277