柴田 剛(たけし)見城さん、こんばんは! また755を再会されたとお聞きしまして、改めてフォローをさせて頂きました。 ひとつご報告があります。昨年から見城さんの故郷でもある清水でひとり暮らしをはじめました。実家を出て心機一転、環境を変えて1歩飛び出しました。 これから、自分が生きていくために日々学んでいきたいと思います。
見城徹のトーク
トーク情報見城徹 見城徹見城徹 「涙が涸れる」 吉本 隆明
けふから ぼくらは泣かない
きのふまでのように もう世界は
うつくしくもなくなったから そうして
針のやうなことばをあつめて 悲惨な
出来ごとを生活の中からみつけ
つき刺す
ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
引出しからつかみだすように 心の傷から
ひとつの倫理を つまり
役立ちうる武器をつかみだす
しめっぽい貧民街の朽ちかかった軒端を
ひとりであるいは少女と
とほり過ぎるとき ぼくらは
残酷に ぼくらの武器を
かくしてゐる
胸のあひだからは 涙のかはりに
バラ色の私鉄の切符が
くちゃくちゃになってあらはれ
ぼくらはぼくらに または少女に
それを視せて とほくまで
ゆくんだと告げるのである
とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
嫉みと嫉みとをからみ合はせても
窮迫したぼくらの生活からは 名高い
恋の物語はうまれない
ぼくらはきみによって
きみはぼくらによって ただ
屈辱を組織できるだけだ
それをしなければならぬ