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見城徹

↑ 僕についてはお恥ずかしいですが有難う。 三島由紀夫は石原慎太郎が政治家になったことに嫌悪感を表明していました。話をする気もしないと。 石原慎太郎は三島由紀夫の自決を自己陶酔のつまらない死に方だと評していました。 お互いに作品を評価し合い、仲の良かった2人は政治については相いれず、後年距離が出来ていました。政治へのアプローチが全く違ったのですね。三島由紀夫は日本国憲法は欺瞞だと断罪し、文学的な死を選びましたが、石原慎太郎は日本国憲法を否定しながらも現実的に改修する道を選びました。石原慎太郎にとっては政治は政治、文学は文学でしたが、三島由紀夫にとっては政治は文学の中に包摂されていたのです。僕は三島由紀夫の死を巡って石原慎太郎さんとよく議論しましたが、石原慎太郎さんは三島由紀夫の死に方に同意し、理解することはありませんでした。 1964年から刊行された全8巻の石原慎太郎全集の編集委員は三島由紀夫、江藤淳、大江健三郎です。もの凄いメンバーです。それだけの関係でありながら、政治を巡っては全く立場を異にしたのです。

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