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見城徹

凄まじい映画を観た。これまでのどの日本のボクシング映画とも違う本物のボクシング映画だ。 横浜流星と窪田正孝の仕上がった肉体が激突するボクシング・シーンの迫力と2人のボクシング・テクニックに興奮する。佐藤浩市、片岡鶴太郎、哀川翔、小澤征悦、山口智子、橋本環奈、坂井真紀ら、ボクシングに関わる人々の人生もそれぞれの迫真の演技で心憎いばかりに描き出される。 佐藤浩一と横浜流星。「どんな困難があろうとも、この一瞬を生き切る」と決めた2人の人生が交錯する。佐藤浩市の心情が静かに染み渡って来て胸が詰まる。[ヴィレッジ]の横浜流星も凄かったが、[春に散る]の横浜流星も凄い。 [ラーゲリより愛を込めて]の瀬々敬久監督には驚嘆したが、[春に散る]の瀬々敬久監督にも心底驚嘆した。試写を観て1時間。僕はまだ、[春に散る]に犯されて、佇んでいる。

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見城徹のトーク
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  • 見城徹
    見城徹見城徹

    たれがじぶんを無惨と思わないで生きえたか ぼくはいまもごうまんな廃人であるから ぼくの眼はぼくのこころのなかにおちこみ そこで不眠をうったえる 生活は苦しくなるばかりだが ぼくはとく名の背信者である ぼくが真実を口にするとほとんど全世界を凍らせるだろうという妄想によって ぼくは廃人であるそうだ 

    ーー吉本隆明[廃人の歌]

  • 見城徹
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    ⬆︎ 僕が大学1年の時に読んだ奥浩平[青春の墓標]。[読書という荒野]にも書いたけど、浩平の兄・紳平の「あとがき」に思わずアンダーラインを引き、文章を書き加えた。あれから50年が経った。僕は現実と妥協し、魂を売り、それでも生きることを選んだ。それが子が父になり、少年が男になり、王子が王になることなら、生きるということは余りに苦い。僕はまだ生きている。これからも目の前の現実を引き受ける。戦う。突破する。泣きながら生きるしかない。

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  • 見城徹
    見城徹見城徹

    明日は僕が勝手に名付けた奥平剛志のジャスミン忌。僕の人生を変えた日がまたやって来る。一年はあっという間だ。こうして「死」に近付いて行く。

    銃口にジャスミンの花無雑作に挿して岩場を歩きゆく君

    草原に身をひるがえし蝶を追う決死の闘いひかえし君は

    「地獄でまた革命をやろう」と先に逝き彼岸で待ってる君は二十六歳

    ーー重信房子歌集[ジャスミンを銃口に]