祖父は船舶会社をやっていた曾祖父が残した借金を返す事に人生のほとんどの時間を費やし船に乗り続けた。
祖父の稼ぎは全て借金に当て、髪結だった祖母が家計を支えていた。
祖母は大阪の呉服問屋の旦那と芸者の間に生まれた。当時、日露戦争の後に樺太の半分が日本の領土となり、曾祖父は樺太に数軒のアパートを建て、水揚げされた曾祖母はその家賃収入で生計を立てていた。
結局家賃を払えない住人が多く、とても貧乏していたらしい。
祖母はまだ幼少期に髪結の奉公に出た。
ある日その師匠が自殺した事で15歳の若さで髪結業を継ぐ事になる。
お祖父ちゃんとお婆ちゃんの話だけで壮大な物語になってしまう。
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