お疲れ帰り道の…
お休み散歩途中の…
お買い物連れ途中の…
お医者さんから逃れた後の…
………
………
それぞれにあった僕の本屋さん
お店の中を光速ひとまわり
メートル歩行でトキメキ巡り
今日の始まりは
二列目の書棚から…
さあ
深呼吸ひとつして
片っ端から背表紙の匂いを
指先で舐め始める
走り廻る心の童謡
気にしない言葉の沈黙
出会いはいつも
爪先ロックンロール…
いつでもそこは
明窓浄机…
やがて
静かなひとり言が
ブランディーの
涙色に染まった
彼女の頁から
聞こえてきた
独唱する彼女に
僕は恋をしたみたいだ…
ときめきはいつも
時空の曲がり角で
新しい僕を待っている
永遠を夢想する
鏡の中の本屋さんは
ミクロコスモスでいっぱいだ
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