三上雅博のトーク
トーク情報三上雅博 藪 医師(中山祐次郎)藪 医師(中山祐次郎) リトークを頂きありがとうございます。
見城さんの「編集者という病い」だったかと記憶しております。見城さんが新人時代、原稿のコピー取りばかりさせられていたとき、4部コピーするところを5部コピーし、先輩編集者の赤の入れ方を見て学んだり改善策を考えたりしていたエピソードです。
一見、単純作業の雑用にしか見えない仕事でも、やりようによってはちゃんと自分を成長させる黄金の仕事になりうるという教訓を、私は得たのです。
私はこのエピソードが大好きです。三上雅博 見城徹見城徹 ↑ 僕がKADOKAWAに入社して配属されたのは文芸誌[野性時代]でした。[野性時代]は短編や連載の他に毎月、長編一挙掲載というのがあって、原稿用紙400〜600枚ぐらいになりました。
生原稿を印刷会社に入稿する前に、担当編集者、編集長、校正者、挿絵を担当するイラストレーターに渡すためにコピーを4通取らねばならず、それは新人の仕事でした。短編は苦になりませんが、長編一挙掲載ともなると大変です。1975年ぐらいのコピー機は4通いっぺんには取れず、4回繰り返さなければなりません。この雑用をしながら僕は考えました。コピーを5通取ろう。1通を自分用にしようと思い付いたのです。それを家で読みながら自分だったらどう直すかを考えるのです。
雑誌が出来て作品を読むと担当編集者は大した直しを入れていません。自分の直しはもっと作品を良くしたのにと、いつも思っていました。やがて、担当作家を持つようになると、そのコピー取りが僕の編集力を鍛えてくれたことを実感しました。雑用も本人の工夫一つで黄金の仕事になります。今でもあのコピー取りが僕の仕事の原点です。

