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見城徹

よしんば安倍政権によって民意が問われ、憲法が改正されたとしても、安倍さんに僕が涙することはない。安倍晋三は政治家だからだ。安倍さんは政治家として自分の信念を貫いただけだ。歴史的な快挙を賞賛はするけれど、泣くことはない。 三島由紀夫ほど日本の歴史と文化、伝統、自然、そして、何よりも日本語とその表現にこだわった文学者はいない。美しく正確無比な日本語で個体としての人間を書き続け、自分も個体として生きた。その三島由紀夫が自分の死と引き換えにしたのが日本国憲法の改正だった。三島は日本語で書かれた日本国憲法の虚構と欺瞞を許せなかった。 憲法が改正された時、僕は三島由紀夫に対して涙を禁じ得ないと思う。三島由紀夫は自分の死さえも文学にしたからだ。僕という個体が三島由紀夫という個体に涙する。それは文学に対する涙である。生きて死ぬという人間の宿命に対する涙である。

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見城徹のトーク
トーク情報
  • 見城徹
    オジトモオジトモ

    【追加版】
    ★ルフレーヴ、ピュリニー・モンラッシェ・レ・フォラティエール2022

    ★ルフレーヴ、ピュリニー・モンラッシェ・クラヴァイヨン2022

    ★ マルケージ ディ、バルバレスコ1950(見城さん生まれ年)

    ★シャトー・オーブリオン1958(脇屋さんの生まれ年)

    ★ シャトー・ド・ムルソー、ムルソー・シャルム・ドゥシュ2022

  • 見城徹
    見城徹

    11月28日。大阪で[mikami limited 50]を営む鮨職人・三上雅弘がリトークしてくれた2019年10月の僕のトークです。↓

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    「涙が涸れる」  吉本 隆明

    けふから ぼくらは泣かない
    きのふまでのように もう世界は
    うつくしくもなくなったから そうして
    針のやうなことばをあつめて 悲惨な
    出来ごとを生活の中からみつけ
    つき刺す
    ぼくらの生活があるかぎり 一本の針を
    引出しからつかみだすように 心の傷から
    ひとつの倫理を つまり
    役立ちうる武器をつかみだす

    しめっぽい貧民街の朽ちかかった軒端を
    ひとりであるいは少女と
    とほり過ぎるとき ぼくらは
    残酷に ぼくらの武器を
    かくしてゐる
    胸のあひだからは 涙のかはりに
    バラ色の私鉄の切符が
    くちゃくちゃになってあらはれ
    ぼくらはぼくらに または少女に
    それを視せて とほくまで
    ゆくんだと告げるのである

    とほくまでゆくんだ ぼくらの好きな人々よ
    嫉みと嫉みとをからみ合はせても
    窮迫したぼくらの生活からは 名高い
    恋の物語はうまれない
    ぼくらはきみによって
    きみはぼくらによって ただ
    屈辱を組織できるだけだ
    それをしなければならぬ

  • 見城徹
    見城徹見城徹
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    では、[涙が涸れる]は何に掲載されていたのか?三田祭のパンフレットだったか?
    勿論、吉本隆明の[涙が涸れる]は知っていたが、それを慶應大学公認の冊子に掲載した学生の心情に激しく僕が共感したのは間違いない記憶である。と思う。

  • 見城徹
    見城徹見城徹

    僕は慶應義塾の114回目の卒業生です。卒業する者全員の就職先と自宅の住所が記され、卒業生の応募原稿と、発表されている作家や詩人の作品などの転載で構成されたかなりぶ厚い冊子です。卒業生全員に配られます。
    僕は就職先の欄に[さすらいのギャンブラー」と記し、顰蹙を買いました。子供だったなあ、と思います。

  • 見城徹
    三上雅博三上雅博


    おはようございます。
    2019年10月の親父の投稿のリトークです。

    「さすらいのギャンブラー」の話は親父から聞いた事がありました。
    僕はそんな事を書く親父が大好きです。
    「普通」はなんにも面白く無い。「普通」は全然響かない。
    だったら顰蹙を買ってでも、枠から飛び出す方が良い。僕はそう思います。

    今日も吉本隆明の詩が胸に沁む。
    本日も皆様、宜しくお願い致します。

  • 見城徹
    見城徹

    ここのところずっと[三上雅博]を[三上雅弘]と誤記していました。三上雅博御本人と僕のトークを読んでくださっている方々に謹んでお詫びし、訂正させていただきます。不注意から来た典型的なミスです。お恥ずかしい。

  • 見城徹
    見城徹

    何よりも名前を間違えるなどあってはならないこと。三上雅博に重ねてお詫び申し上げます。