見城徹のトーク
トーク情報見城徹 見城徹見城徹 13年前の今頃はMBOによる上場廃止を発表した幻冬舎の株を謎のファンド[イザベル]に全株の3分の1以上を買い進められて防戦に七転八倒していた。正体の判らないファンドを抱えて上場を続けるか?臨時株主総会を開催して上場を廃止の決議を決行するか?道は2つに1つだった。上場廃止は特別決議だから出席株数の3分の2以上の賛成を必要とする。3分の1以上を握られて、明らかに上場廃止は不可能だった。しかし、「不可能だ」、「無理だ」と言われてからが本当の戦いだ。「不可能」と「無理」をひっくり返す。諦めない。覚悟を決める。後は圧倒的努力で正面突破。地獄の日々を耐えに耐えた。臨時株主総会の当日の朝。
会社を出ようとする僕に待ち構えていた報道陣が一斉にマイクを向ける。一睡もしなかった僕は、
「これから戦場に行って来ます」
とだけ答えて、臨時株主総会の会場である新宿ヒルトンホテルに向かった。道路は昨夜の雪が降り積もっていた。車から雪景色を見ながら「やるべきことは全てやった。もう、死んでもいい」と人生で初めて思った。臨時株主総会は奇跡の大逆転で幻冬舎の上場廃止が決まった。会場を出て来た僕に報道陣のマイクが殺到する。何を答えたか全く覚えていない。全身が痺れていた。不可能が可能になった瞬間。勝者には何もやるな!
I Will Go to War!- 見城徹
見城徹 幻冬舎が15日開いた臨時株主総会で、経営陣が参加する買収(MBO)に必要な定款変更議案が出席議決権ベースで3分の2を超す賛成票を集め、可決された。MBOの是非を総会で問う異例の展開だったが、対抗買収に動いた投資ファンドの肩代わりで株を持つ立花証券が総会を欠席。ファンドの狙いや意図が十分に見えぬまま騒動は幕を閉じた。
都内のホテルで開かれた総会には個人投資家ら10人強が出席。投資ファンドのイザベル・リミテッド(ケイマン諸島)は書面で議案への反対票を投じた。
成否を分けたのはイザベルが現物株でなく、少ない元手で投資できる信用取引で株を買い集めた点。総会での議決権を決める時点でイザベルはお金を払って株を引き取っておらず、総会では仲介業者の立花証券が35%の議決権を持つという珍しい展開となった。
今回、立花証券は賛否の議決権行使もせず、欠席。このため残る議決権での採決となり、58%の議決権を持つ見城徹社長側の圧勝となった。立花証券は総会での一連の対応理由を「コメントできない」としている。